リスナーさんに「罵倒ボイス」をリクエストされた配信者の台本

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ゴソゴソ

もしもーし…?
リスナーさん、聞こえてますか?

あ、聞こえる聞こえるー。こんにちは! ○○です!

リスナーさん、いつも○○の配信に来てくれるだけじゃなくて、
特典のボイスリクエスト権までゲットしてくれて、ほんとにありがとう!

今日は、今回の特典をゲットしてくれたお礼に、リスナーさんの好きなセリフ、
なんでも言ってあげるから、私に言って欲しいセリフ、いーっぱいリクエストしてね♪

ん? なあに?
「○○ちゃんが罵倒してくれるボイスがほしい」?

罵倒って、○○がリスナーさんの悪口を言うの……?
えー! そんなの無理だよ。だって、○○、リスナーさんのこと大好きだもん……

え?
「それでも○○ちゃんに罵倒してもらいたい」……?

うーん、本当にリスナーさんがそのボイスがいいって言うなら……
しょうがない、よね……?

じゃ、じゃあ言うけど……怒らないでね?

……
…………
リ……リスナーさんの、バーカ

…………
…………

ええ!? もっと感情を込めて、しっかり罵ってほしい!?
せっかくのリクエスト権なんだから真剣にやって……って

うう……
わかった……
そうだよね、せっかくゲットしてくれたんだもんね

じゃあ今度は真剣にやるからね!
いっぱい、リスナーさんのこと馬鹿にするから、ちゃんと聞いててね?

ふう……

(深呼吸)

……………………

はあ、気持ち悪っ……
リスナーさんさあ、私に罵倒されるボイスがいいって、それ本気で言ってるの?
確かに私、ときどき配信でそういうこと言ってたかもしれないけど、あれただのネタだからね?

それを本気にしちゃって、せっかくのリクエスト権なのに、
内容がよりにもよって私からの罵倒とか……
ほんと頭おかしいんじゃない?

あーあ、なんか残念だなあ
配信では毎回面白いコメント打ってくれたり、へこんだ時には優しく慰めてくれてたのに、
心の中では、私に馬鹿にされたいって思ってたんだ(笑)

うーわ、ドン引き(笑)

まあでもしょうがないよね? リスナーさん、○○しか友達いないんだもんね?
女の子との接し方わからなくて、こんなダサくて恥ずかしいリクエストしちゃうのも無理ないよね(笑)

リスナーさんのこと、今日までとっても優しくて素敵な人だなって思ってたのに
中身はこーんなおバカさんだったなんて、ほんとがっかり。

ねえリスナーさん、なんで黙ってるの?
私、リスナーさんのリクエストに応えてあげてるんだから、
黙ってないでちゃんとお礼言ってよ

…………
「バカにしてくれてありがとうございます」
はい、言って?

…………
……

声がちいさーい(笑)

ほら、もっと大きな声で
「○○さん、僕のことバカにしてくれてアリガトーゴザイマース」(笑)

…………
あははは、ほんとに言ってる(笑)
リスナーさんってほんっと面白いね、プライドとか全然ないんだ(笑)
私みたいな女の子に、こんな上から目線で馬鹿にされてるのに、大きな声でお礼なんか言っちゃって(笑)
大丈夫? 近所の人に聞かれてない? お母さん心配しちゃうよ(笑)

あ、いつものことか(笑)
…………

はーあ、なんか疲れちゃった。
正直リスナーさんへの悪口ボイスだったら、あと二時間くらい続けられるけど
なんかもうめんどくさくなってきたし、これで十分満足したよね?

じゃ、リスナーさんへのお礼ボイスはこれで終わるね

録音したこの音声聞いて、明日からも私のリスナー活動、がんばるんだよ(笑)?

…………
………
……

(明るく)
…………はい、リクエストボイス終わり!
リスナーさん、大丈夫? 傷ついてない……?

ごめんね。リスナーさんがどうしても悪口言って欲しいっていうから……

でもね、○○はリスナーさんのこと大好きだし、さっき言ったみたいなこと、
ほんとは全然思ってないからね!

だから、これからも私のこと、いっぱい応援してね!
リスナーさん、大好きだよ!

じゃあ、これでプライズはほんとのほんとに終わり!
今夜の配信でまた会おうね!

それじゃ、ばいばい

ピッ……

…………
………
……

はぁ…………(低いため息)

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